尿路結石

尿路結石

尿路結石は、尿が流れる腎臓から尿道までの間にできる結石のことです。一般的に、働き盛りの男性に多く、閉経後の女性や寝たきりの方にも見られます。また、結石の存在位置によって、症状に違いが出てきます。

症状

腎結石

症状はほとんどありません。稀に血尿を認めることがあります。気が付きにくいのも、このためです。

尿管結石

主に腎結石が尿管に移動したものです。尿管は、尿を膀胱へ運ぶため蠕動運動をしています。途中に結石があると、時々結石を強く握りしめ尿が流れなくなり、結石より上方にある腎臓内圧が急激に上がるため結石のある側の疝痛発作を起こします。この痛みは、大男が泣いてしまうほど激しいものですが、尿管が緩んで結石の横から尿が流れるようになると、腎臓内圧が下がり症状が消えてしまいます。また、結石が膀胱付近まで下降してきますと、結石の刺激が膀胱に伝わり、膀胱炎様症状、肛門周りの違和感などを認めるようになります。

膀胱結石

主な症状は、血尿や反復性尿路感染です。尿路感染は、抗生剤を服用しても、結石の表面の菌が一時的になくなった後、結石内部に潜んでいた菌がまた表に出てくるために繰り返すといわれています。その他の症状では、結石が膀胱出口部に詰まり、排尿障害や尿閉を起こすことがあります。

尿道結石

尿路の最終経路です。膀胱頸部を通過する結石のほとんどは問題なく尿と一緒に排出されますが、大きな結石ですと途中で詰まってしまい、排尿障害を認めます。また、尿を止める尿道括約筋の部分で詰まると、筋肉が十分に締まらず尿失禁を認めることがあります。

原因

腎臓内で尿の濃度が上昇し、尿中成分が飽和し結晶が析出してきます。多くの結晶はそのまま尿として排出されますが、腎臓内の隅に残ったり、尿流が停滞などすると結晶が雪だるま式に増大し、臨床的に問題となる大きさに成長していきます。そのほか、尿路感染や先天的な代謝異常によるものがあります。

検査

検尿

ほとんどの場合血尿を認めます。

画像診断

  1. 腹部X線検査
    尿路結石の90%近くはカルシュウム成分を含むため確認することができます。ただし、尿酸結石などは、X線透過性であるため写りません。
  2. CT検査
    その他の画像診断で、結石の判別困難な時に有効です。
  3. 超音波検査
    患者負担の少ない検査です。結石による尿の停滞や、尿路の結石を確認できます。

治療

経過観察

結石の大きさが7-8mm未満のものに関しては、患者さんの社会的制限(パイロットは、結石があると勤務できないそうです)がない限り自然排石を待ちます。

積極的治療

自然排石を期待できない大きな結石や、経過観察を1か月以上しても変化のない結石に対して行います。

  • 体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
    体外で発生させた衝撃波を収束し、結石に当て破砕する方法です。
  • 経尿道的尿管砕石術(TUL)
    尿道から細い内視鏡を挿入し、レーザーなどで結石を破砕する方法です。ESWLと比較すると、確実に結石を破砕することが可能ですが、麻酔を必要とします。
  • 経皮的腎砕石術(PNL)
    背中から直接内視鏡を挿入し、大きな結石や、ESWLで破砕できない結石をレーザー等で破砕します。

結石予防・生活指導

尿路結石の再発率は40~60%と言われています。他の病気と比べ再発の多い病気です。結石の再発予防には十分な水分摂取や、食事指導、ストレスの改善等、働き盛りの男性には無理なことばかり言われています。生活指導はシンプルなほうが長続きします。以下のことを心掛けて頂ければ良いと思います。

  1. 食事は、偏らないようにする。
  2. 尿の色が、麦茶色にならない程度に水分摂取する。
  3. 月に1回で良いので、ウオーキングなどをする。

結石発作は独特な痛みですので、一度経験された方は自分で診断できます。再発が多いので、年に1回ぐらいは泌尿器科で検査を受けてみてください。

本院はこちら

DR.BRIDGE|クリニックホームページ作成クリニックホームページ制作
keyboard_arrow_up